ペルーではパンデミックも落ち着き、ようやく以前のように各地でコンクールが開催されるようになりました。

そのため、最近コンクールに参加した記事が続いていますが、そもそもマリネラのコンクールって聞いても、どんな感じかイメージしづらいですよね💦笑

という訳で、今回はマリネラのコンクールについて詳しく解説します!!

※当ブログの競技としてのマリネラでも簡単に紹介しているので、まずはそちらをご覧いただけると分かりやすいかと思います。

コンクール会場

マリネラのコンクールは、一般的に体育館のような場所で開催されます。

一言でコンクールと言っても様々で、大勢の参加者が集まる大きなコンクールもあれば、地元の小さなコンクールもあり、開催される会場も様々です。

アリーナ

軍学校の体育館

私立学校の体育館


公立学校の体育館

自治体の競技場

地元のスポーツ公園

こんな感じで、コンクールの規模によって本当に様々な場所で開催されています。

日本ではダンスを想定している体育館が少なく、ホールのような場所でダンサーが舞台上で踊る、という形式で開催されるコンクールが多いです。

大阪でのセレクティーボ


コンクールへの参加

  • 出場登録

コンクールに参加するための出場登録は、コンクールによって様々です。大きなコンクールだと期日までにネットで登録するという形式もあれば、小さなコンクールだと基本的には当日に会場で登録できるものもあります。

どちらにせよ、コンクール当日に会場の受付で、年齢確認&出場料金の支払いを済ませて背番号が貰う必要があります。背番号を貰えたら、これで準備は完了!

ちなみに背番号は男性だけが着けます。


  • 入場方法とフロアの仕組み

背番号を貰ったらあとは踊るだけです。マリネラのコンクールは年代別(競技レベル別もあります)にカテゴリー分けされているので、自分のカテゴリーが呼ばれたら選手入場口に並びます。

マリネラのコンクールは、一回に複数のペアがフロアで同時に踊り、採点されます。フロアは3~5ほどのブロックに分けられていて、それぞれのブロックでペアが同時に踊ります。このペアが踊る仕切られたブロックのことをピスタと呼びます。

ピスタには番号が振られていて、入場の際は「ピスタ〇番、背番号〇〇番」とアナウンスされるので、アナウンスされたピスタに入場します。

ちなみに、このピスタの番号は観客が特定のペアを応援する際にも使われます。

例えば4のピスタで踊っているペアを応援する場合、「ピスタ4~!!!」と叫んで応援するという感じですね。

一般的には、このように4つのピスタに分けられていて
それぞれのピスタに番号が振られています。

  • 競技の開始

ピスタに入場すると、すぐさま曲名が発表されて、その瞬間に演奏が始まります。

ダンサーは事前にどの曲で踊るかは知らされず、即興で踊らなければいけません。これはマリネラの大きな特徴で、マリネラは即興性というものを大事にしています。

マリネラには非常に多くの曲があり、しかもそれぞれ長さや特徴が違ったりするので、あらかじめ決めた振付けだけで踊ることができないんです。

そのため、振付けは大まかに決めておきながら、演奏される曲に合わせて、ペア同士でコミュニケーションをとって曲に合わせて各自で踊りを変えなければ勝つことができないんです。

これがマリネラの難しさと奥深さなんですよねぇ~😆


  • マリネラの演奏

ペルーでのコンクールでは、ブラスバンドの生演奏が一般的です。

演奏するブラスバンドによって、同じ曲でもテンポが変わったり長く(短く)演奏したり、また演奏を間違えたりということもあります(笑) 

しかし、例え演奏が間違っていたとしても、ダンサーは必ずその演奏に合わせて踊らなければいけません。


少し見にくいですが、フロアの左側にブラスバンドがいますね。
このように、通常はピスタの脇で生演奏しています。

ただし、ペルー以外の国ではマリネラを演奏できるブラスバンドがいないため、音源をスピーカーで流すのが一般的です。ペルーでも小さなコンクールでは音源をスピーカーで流すこともよくあります。


  • 採点・審査方法

マリネラは、通常3~7人程度の奇数人の審判が採点します。

審判はピスタの周りのテーブルに分かれて座り、ペアごとに点数を付けます。

ピスタのすぐ近くのテーブルにいるのが審判です


点数や、点数の発表方法等はコンクールによって様々です。

小さなコンクールでは、ダンサーが踊り終わった後、審判自らがペアごとに点数の番号札を挙げて点数を発表することが一般的です。これをPaletas al aire(パレタス・アル・アイレ)方式と言います。この方式では3~5の番号札があり、5点満点なのが一般的です。


一方、大きなコンクールだと参加者が多いので、審判は紙にペアごとの点数を記入し、本部が点数を集計するという方式が一般的です。

集計が終わり次第、通過ペアの背番号がアナウンスされるという具合です。


  • 採点・審査の基準

採点の基準は各コンクールがそれぞれ定めていますが、どのコンクールも基本的には 

  • リズム・テンポ
  • 個性・即興性・落ち着き
  • サパテオ の技術
  • ペアとの自然な調和 
  • 表現力(メッセージ性)
  • 衣装が相応しいか

 といった部分が基準となります。

それぞれの採点項目ごとに点数をつけるという形式ではなく、それぞれの基準をもとに、審判が総合的に点数を付けるという感じですね。


コンクールのカテゴリー

  • 年齢別カテゴリー

マリネラのコンクールは、年代別のカテゴリーに分かれて競います。

世界大会では年齢別のカテゴリーは以下の9つに分けられており、他のコンクールも基本的にこれを基準にしています。

  • PRE INANTE(プレ・インファンテ)…6歳以下の部
  • INFANTE(インファンテ)…7歳~9歳までの部
  • INFANTIL(インファンティル)…10歳~13歳までの部
  • JUNIOR(ジュニオル)…14歳~17歳までの部
  • JUVENIL(フベニル)…18歳~21歳までの部
  • ADULTO(アドゥルト)…22歳~34歳までの部
  • SENIOR(セニオル)…35歳~49歳までの部
  • MASTER(マステル)…50歳~62歳までの部
  • ORO(オロ)…63歳以上の部

ちなみに22歳〜34歳のアドゥルト部門が最も重要なカテゴリーとされていて、一般的には一番最後に踊ります。

また、世界大会ではダウン症や障害を持つ方向けの部であるウニダ(UNIDAD)というカテゴリーもあります。このウニダというカテゴリーは、世界大会以外の他のコンクールでも、しばしば行われることがあります。

こちらは2019年のウニダ部門決勝の様子です

このように、マリネラは年齢やハンディーキャップに関係なく

どの世代でも、どんな人でも競い・楽しむことができるペアダンスなんです。

  • 競技レベル別カテゴリー(個人部門)
マリネラのコンクールには、年齢別カテゴリーに加えて、競技レベル別のカテゴリーというものも存在しています。

それぞれ解説しますと

・INDIVIDUAL(インディヴィドゥアル)
ペアなしで、一人で踊るカテゴリーです。
マリネラはペアダンスですが、このカテゴリーではペアと踊っているかのように一人で踊るカテゴリーです。ペアがいないので、単純にステップなどの個人の技術だけで評価されます。

こちらのカテゴリーはマリネラを始めたばかりだったり、ペアがいない方向けです。

コンクールによっては女性の部のみ、または男女ともに実施されたりもします。


・SERIADO(セリアード)
こちらも一人だけが評価される部です。ただしペアで踊るという点が、インディヴィドゥアルと異なります
ステップの技術だけでなく、ペアとの踊り方も含めて審査されます。ペアで踊る必要がありますが、一緒に踊るペアは基本的にどんな年齢でも大丈夫です。(私服で踊る方もいます。笑)
同じぐらいの年齢のペアと踊る人もいれば、アカデミーの先生と踊る人とかもいますね。

以上が個人が評価の対象となるカテゴリーです。


日本ではシングル部門という名前で、女性の部のみ開催されることが多いです。

※マリネラ界では基本的に女性ダンサーと比べて男性ダンサーが少ないんです。特に競技人口が少ない日本では慢性的な男性ダンサー不足で、コンクールに出たいけどペアがいない女性が多いため、そんな方でもコンクールに参加できるようにと、シングル部門が設定されているんです。モニカも何度か日本でシングル部門に参加したことがあります。
コンクールによって、インディビドゥアル方式やセリアード方式のどちらかで開催されています。

  • 競技レベル別カテゴリー(ペア部門)

・NOVATO(ノバト)/NOVEL NOVEL(ノベル・ノベル)

あらゆるコンクールで優勝経験の無いペアのみ、参加できるカテゴリーです。競技歴の浅い初心者ためのカテゴリーです。


・NOVEL(ノベル)/NOVEL ABIERTO(ノベル・アビエルト)

あらゆるコンクールのナショナル部門で優勝経験の無いペアのみ、参加できるカテゴリーです。ノバト部門や、ノベル部門で優勝経験があっても参加できます。こちらもビギナー向けのカテゴリーです。


・NACIONAL(ナシオナル)

直訳すると全国レベル。参加制限のない、一番レベルが高いカテゴリーです。この部門で優勝経験があると、ノバト部門・ノベル部門の参加ができません。


ちなみに世界大会やセレクティーボではノベル部門のみ実施されています。

セレクティーボでのノベル部門への出場条件は

  • ジュニオルまでの年齢(17歳まで)
  • 過去に世界大会で優勝していない
  • 過去5年間、セレクティーボで優勝していない
  • セレクティーボのノベル部門で優勝していない

以上の条件を満たしたペアのみとなっています。

また、ノベル部門の中でも年齢別にノベルAとノベルBという2種類のカテゴリーがあり

ノベルA(NOVEL A)…9歳まで(プレ・インファンテインファンテ

ノベルB(NOVEL B)…10歳~17歳(インファンティルジュニオル

以上のように分けられています。

ちなみに世界大会ではセレクティーボと違って、ノベル部門は年齢別に分かれておらず、17歳以下で条件を満たしていればノベル部門に参加することができるそうです。


コンクールの主催団体

マリネラのコンクールは大きく2種類に分けることができます。 

それは、セレクティーボSELECTIVOそれ以外かということ。

ブログでも何度か説明したことがありますが、このセレクティーボとは世界大会の予選にあたるコンクールのことです。このコンクールは、世界大会を主催しているCLUB LIBERTAD(クルブ・リベルタ)という団体の支部が主催しており、ペルー以外でも世界各地で開催されています。

※日本でも大阪・京都・名古屋・横浜に支部があり、毎年セレクティーボを開催していましたが、2020年以降は残念ながらパンデミックの影響で2022年9月現在まで開催が見送られています…。


世界大会には誰でも参加することはできますが、このセレクティーボで優勝したペアは世界大会の予選と準決勝が免除される「シード権」が与えられます。

セレクティーボは、世界大会への出場を目指すペアが参加する、マリネラのコンクールの中で最もレベルが高いコンクールです。現在は世界各地で開催されていますが、特にペルーのセレクティーボで優勝したペアは、世界大会の優勝候補として注目されます。


では、それ以外のコンクールにはどのようなものかというと

  • マリネラ・アカデミー主催のコンクール
  • 地方自治体が主催するコンクール
  • 企業が主催するコンクール
  • 文化協会等、各種団体などが主催するコンクール

などなど、規模やレベルも様々です。


優勝賞品

コンクールで優勝すると、一般的には優勝者の証しとして男性にはエスカプラリオという胸飾り、女性にはバンダという襷(たすき)が与えられます。


ペルーのコンクールで私たちが獲得した
エスカプラリオとバンダ


ちなみにセレクティーボでは男女ともにこのようなエスカプラリオが与えられます。

セレクティーボのエスカプラリオです。
真ん中にClub Libertadのロゴがあります。

男女とも同じ形のエスカプラリオですが
男性は胸につけ、女性は首から下げるタイプです


それ以外にも、コンクールによっては賞品や賞金を貰えるものもあります

以前、ブログで紹介したカスカスのコンクールや、ポロトのコンクールでは、賞金を頂きました。

カスカスのコンクールでは賞金だけでなく、カスカス名産のブドウとワインまで頂きましたが、なぜかエスカプラリオやバンダはありませんでした。


ちなみにセレクティーボには賞金が無く、貰えるのは世界大会のシード権と、エスカプラリオだけです。


このように「マリネラのコンクール」と一口で言っても、様々なものがあるんですね!

以上、コンクールの仕組みを解説しました!

日本でも、早くコンクールが開催されるといいなぁ~!


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