そして本題の、無事高地順応できた体で挑んだコンクール。
コンクールは土日明けの10・11日の2日間で、
初日は予選のみ、そして翌日は準決勝と決勝を行なう形で開催されました。
コンクール初日(予選)
初日は元々16時開始でしたが、事前に主催側から連絡があり19時開始に変更されました。
ちゃんと連絡をくれるのはすごいなぁ(当たり前なんだけど)と感心しつつ、
準備をして背番号を受け取るため18:30時半頃に会場に到着しました。
でもまだ会場の人の数はボチボチ、多分19時に開始したくても遅れるだろうな、っていういつもの流れ・・・。笑
開始時間を過ぎた頃に全然衣装や化粧の準備も終わっていない参加者が到着して、彼らの準備を待つという腹立たしい状況もありつつ、結局20時頃に参加者全員による舞台を歩くパレードがスタート。
でもスタッフの数が多く、このマイペースな参加者達をなんとかまとめようとしている様子はありました。笑
パレードも終わりコンクールがスタート。
参加者は踊るまで、会場内ではなく会場の外の待機所周辺で待っててくれ、って感じだったので、近くの空いてるスペースで会場から流れてくるマリネラに合わせて踊りを確認。
すると会場から流れてくるマリネラのほっとんどが知らない曲・・・。
2人でしかめっ面をしながら踊ってました。
緊張のせいか踊りもズレまくり。
同じアカデミーで練習しているジュニア部門のアンジェロ君とそのペアが近くに居たので、
会話していると
「君たちはこのコンクールの参加初めてだよね?このコンクールで流れるマリネラのほとんどは長いしクセのあるマリネラばかりだよ。まずカリン先生のクラスで流してるマリネラはほとんど流れないね。」
と言われ、ゾッとしました…。笑
もちろん、ちょくちょく知っているマリネラは流れていたのですが、ほとんどは今まで聞いた事無い曲か、聞いた事はあるけど練習で踊った事は無い曲でした。
しかも、このコンクールにはブラスバンドが2グループ参加していて、交互に演奏していました。アンジェロ君はまたさらに、
「片方は普段通り二曲目の演奏が一曲目より短めになるけど、もう片方は一・二曲目共にフルで演奏するので踊る時間が長いから、どちらのバンドが演奏するか聞いとくと良いよ。」
と教えてくれました。
アンジェロ君ありがとう!
アンジェロ君は初日を終えた後、どこからか仕入れたコンクールの曲リストをメールで送ってくれるなど、この子のおかげでメンタル的にかなり助かりました💦
知らない曲がかかっても、いつもの流れで慌てず落ち着いて踊ろう、
と2人で確認し合い、後は曲運に委ねるのみでした。
そしていざ本番!
この高地で本気でどれくらい踊れるのか、どんな曲がかかるのか、今までに無い緊張感のなか舞台に上がりました。
入場している途中にアナウンスされた曲名は「Señorita Marinera」
定番の曲の一つが演奏されました😆よかった〜!
曲に対する恐怖が取り除かれ、いつも通り踊る事が出来ました!
ただ、体力の消耗はいつもより早かった・・・。一曲目の終わりで、二曲目も踊り切ったくらいの疲労感がありました。
後半は全然足が上がりませんでしたが、でもなんとか踊り切って予選が終了。
私達の次に流れた曲が、全く知らないめちゃくちゃ変則的な曲で、内心ヒヤリ。
本当に曲運に恵まれましたね。
急な酸欠と疲労で、シンジは踊った直後頭痛に襲われていました・・・・。
でもモニカは意外と、疲れるのが早かったな〜くらいで、悪い症状は出ず、大丈夫でした!笑
この高地の順応っぷりには驚きです。笑
そういえば、踊る少し前の時間に、置いてた荷物を取りに会場に入ったら、ちょうど踊り終わった女の子が酸欠症状で倒れてしまったところの救急処置をしている場面に遭遇しました。
そこで初めて、入場入り口脇に酸素ボンベと担架が用意されている事に気づく・・・。
おそらく私達のような、普段は低地に住んでいる参加者の方が多いと思うので、体が慣れていないとそりゃそうなるよなぁ、と思いながら、ちゃんと参加者の体調に配慮しているコンクールの運営に感心。その日は2名が酸欠で倒れたそうです。
見かけた女の子はかなりぐったりしていて、可哀想でした😔
ちょっとそれを見てモニカは踊る前に少し怖くなりました・・・。
しかし、特に体調に問題も無く、知ってる曲も流れて、最後まで踊り切る事が出来てよかったです!!
コンクール最終日
無事予選を踊りきり、結果はメールにて届くとの事だったのでホテルに戻って休みました。
そして翌日朝、届いたメールには予選を通過した参加者の名前が書かれたデータが添付されており、しっかり私達の名前が書いてありました!夢の賞金ゲットに一歩近づきました!
![]() |
見えにくいですが、こんな感じで発表されました。 |
そして朝から街に繰り出し、とある手続きをするため「CAJA PIURA(カハ・ピウラ)」という銀行へ。
実はコンクール初日、賞金の受け渡しに関する説明会に参加するようコンクール関係者から呼び出しがあり、説明会の開催場所である市役所に行ってみると、
大会スポンサーの一つである「カハ・ピウラ銀行」の口座を開設する事が賞金受け渡しの条件だ、と説明されました。
というわけで、無事予選を通過したのを確認した私達は口座を開設しにカハ・ピウラ銀行に向かったのです。
無事口座の開設も終わり、手続きをしてくれた銀行のお姉さんにも
「コンクール頑張ってね!」と言ってもらえました♪
そうそう、カハバンバでは銀行の手続きや、コンクールでもそうなのですが、仕事を丁寧にする人に多く出会いました。
ちょっと気怠そうに仕事をしたり、マイペースに仕事をやるのはペルーでは普通で、お客さんのためにスピーディーに、丁寧に仕事するみたいなホスピタリティ感覚はめちゃくちゃ薄く、良くも悪くも店員とか職員さんに対する期待値は低いです。
その分、コンクールの運営の様子とか(特にメールで連絡をマメにくれた事)、
銀行の手続きを担当してくれたお姉さんの仕事の様子とか、
毎日綺麗に清掃されてる街の清潔感も含めて、いい印象を持つ事が多かったなぁ。
お祭り期間だから、というのもあるかもしれませんが😆
こういう人達に出会うと、なんだか感動するし勝手に好意が湧いて、また来よう、って思えるんですよね。
ペルーではそれが当たり前じゃないからこそ、些細な気配りにその人の心がこもっている感じがします。
本来ホスピタリティとか、おもてなし精神はそうあるべきですよね。
日本はどんな仕事にも求められるレベルが高くて、特に接客業においては、もはやおもてなしの行為が作業化されていて、しかもそれをする側も受ける側も「当たり前だ」っていう空気感すらありますよね。
日本の発展を支えてきたのがこの「おもてなし精神」なんだろうなぁ。
日本のレベル凄いなって思う一方で、逆に過剰なおもてなし行為はやめてもっとラフな部分が増えたらなとも思う。「おもてなしの価値」も上がっていいと思うなぁ。
なんてふと日本に思いを馳せました。笑
話が逸れましたが、コンクール最終日も19時開始だったので、それまでの時間は
マリネラのクラスメイトのジョランダ(カリン先生の妹)に頼まれたチーズ(ペルーの山岳地方ではチーズを生産していることが多く、フレッシュで美味しい)を買いに行ったり、
メイン広場のすぐ近くの観光案内所に入って、資料や展示物を見せてもらったり(こちらでも親切な対応を受けました)、
その観光案内所のお兄さんに教えてもらったレストランに行って、カハバンバの伝統料理を食べたり、
![]() |
カハバンバの伝統料理「Cecina Shilpida」 |
と、残された時間に出来る限りカハバンバを満喫しました!
そしてホテルに戻って衣装に着替え、コンクール会場へ!
予選の日は参加者でいっぱいだった待機室も、予選で絞られた分利用する人達が少なくなり、コンクールの進行も順調でどんどんスペースが空いていったので、踊るまでの時間入念なウォーミングアップをする事が出来ました。
そして、ドキドキの準決勝
演奏された曲は、コンクールで踊ったことは無いけどよく聞いたことがあるマリネラだったので、少しズレがあったものの、なんとか踊り切れました。
入念なウォーミングアップのおかげで初日よりは体が動いた気がします。
初日は人数が多かったので、審判が紙にそれぞれのペアの点数を書く方式で、その点数は公表されなかったのですが、最終日は審判が5点満点の点数札を挙げる方式で、その場で点数が発表されました。
私達は、記憶が定かではありませんが5点が2人、4点が3人で、その時は決勝に残れたのか分からず。
そしてしばらく入場付近でウロウロしていたら、決勝通過者の番号のアナウンスを聞かぬまま、決勝進出ペアに入場を促すアナウンスが😳
そこでいきなり私たちの番号が呼ばれて、びっくり!
聞き逃したのかもしれませんが、「よし、決勝行けた!頑張るぞー!」
みたいな心構えが出来ず、いきなり決勝の舞台へ!!笑
呼ばれた瞬間は内心「え…ちょっと待って・・・。」と思いました。笑
でも決勝に進めたから賞金確定!あとはもうドンと来い!みたいな気持ちで
演奏が始まるのを待ちました。
そして、決勝ではどんな難しい曲が演奏されるだろう、と思っていたら
超ベーシックな「Con Pañuelos al aire」という短い曲が流れてラッキーでした!
またもや曲運に恵まれ、一曲目をいい感じに踊り終わって、
「あと半分やー!」とポーズを決めていたら、
アナウンスが入り採点がスタート。
なぜか決勝だけは2曲目のマリネラが演奏されず、まさかの1曲だけでした。笑
そうとは知らず1曲目が終わった後、演奏が始まるまでポーズのままじっと待っていて
気付いた後は少し恥ずかしかったです😅
隣のペアも知らなかったみたいで、1ペアだけはちゃんと知っていて踊り終えてました。
そういう所が私達には足りないんでしょうね。笑
絶対アナウンスされてたはずだし、ちゃんと聞いておかないと😅
有り難く過去最高賞金1000ソルをゲット!
大きなコンクールだったので表彰台の写真にも写り、多くのマリネラファンに私たちの顔が知られるようになりました!!
ちなみに優勝したのは、過去何度も世界大会の決勝に残ったことのある、モチェという地域のスタイルを代表する著名なマリネラダンサーのJeanpiere Villanueva(ジャンピエール・ビジャヌエバ)と、数々のコンクールで優勝経験があり、自身のアカデミーを持っているElsa Salazar(エルサ・サラサール)ペアという超実力者!
2人の事は、日本にいる時からYouTubeでめちゃくちゃ見ていて、一方的に知っていました。この人達と同じ舞台で戦えたのも、めちゃくちゃいい経験です💖
表彰台で健闘を称え合い、写真も撮って仲良くなりました。
ジャンピエール君は私たちが住むトルヒーヨ市の隣町「MOCHE(モチェ)」在住で、家族でマリネラアカデミーを運営しています。ジャンピエール君のお父さんや弟もマリネラダンサーで、コンクールの会場で出会いました。
お父さんに、「モチェのスタイルも勉強して、日本に広めたいので今度お邪魔させてください。」とお願いすると、「いつでもウェルカムだよ」と言ってくれました♪
とてもフレンドリーでいい人達でした💕
そしてもう一つ嬉しかった思い出が♪
特に私達大人部門は最後に踊るという事もあり、あまり他のカテゴリーの参加者、とくに年下の子達とはあまり関われるタイミングがありません。
ですが、このコンクールでは全カテゴリーの参加者が一斉に集まって、指定の場所で待機をしたので、参加者同士の距離が近く、そのおかげで多くの子ども達とふれあうことが出来ました♪
「外国人がコンクールに参加してるらしい」という噂はすぐ広まって、多くの子ども達が日本語を喋っている私達に対する湧き出る興味を隠し切れてませんでした。笑
私達にバレないように話を聞きにくる子(挙動が完全におかしいけど😂笑)
私達の事をじーっと見つめてくる子、本当それぞれの反応が面白くて手を振ったり挨拶したりしてました😁
そしてこの3人の子ども達と仲良くなりました!
3人とも興奮状態で私達に一斉に話しかけたり、伝わるように一生懸命喋っていたのが印象的で、本番直前まで実はこの子達の対応に追われてました😂
そりゃあアナウンスも聞き逃すか😂
でも3人とも、とってもいい子で、実は私達が決勝に進むことができたのか分からなくて気になっていたら、その事に子ども達が気付いて、どこからか情報を仕入れて来て
「あなた達、通過してるよ!紙に番号書いてあったよ!」って伝えてくれてたんです。
「本当に?!」って聞き直したら、
「本当だよ!あそこの紙に書いてあったもん!」と言いながら、近くの関係者のテーブルに置いてある紙のような物をちょっと離れたところから一生懸命3人で盗み見していました。笑
なんて可愛いんだ。
いや、自分達で聞きにいけよって感じなんですけど。笑
なんかそれどころじゃなかった。😆
アナウンスが聞こえてくるだろうと思い込んでいたのと、子ども達の対応で頭回ってませんでした。笑
そんな事をしているうちに決勝に呼ばれたんです。笑
決勝のときはめっちゃ応援してくれたみたいで、おそらくこの3人らしき声が、撮ってもらったビデオに入ってました💖
こうして子ども達にも受け入れてもらえたのがとても嬉しかったです♪
帰り道に、また他の子ども達のグループに声をかけられて連絡先を交換するなど、なんだか有名人になった気分でした😂
いろんな余韻に包まれながら、紙吹雪の散らかった会場の中で自分達の荷物をまとめていたら、コンクール関係者から待機室に呼び出され、書類のサインと、受け取りの証拠のため?の写真を撮影し、賞金をその場で受け取りました。
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大会後、片付けが進む中忘れないうちにと撮った2ショット |
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アンジェロ君!とってもいい子♪ |
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同じアカデミーで練習しているマティアス君とそのペア♪今回彼らはジュニア部門で優勝! 彼のお父さんお母さんには会場で沢山応援してもらってとてもお世話になりました! |
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過去に何度も世話になっているフォトグラファーのLuchoさんがたまたま見に来ていて 私たちの写真を撮ってくれました♪Luchoさんありがとう! |
その晩は、疲れていたにも関わらず、嬉しくて余韻に浸ってなかなか寝付けませんでした😂
そして翌朝、思い出たっぷりのカハバンバとお別れ。
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帰りの朝、ホテルの坂道を降りたところにある銅像を名残惜しくパシャリ 誰の銅像かは知りません。笑 |
まさか、高山病の不安を抱えながらスタートした旅がこんなに充実するなんて、出発前には想像もできませんでした!
そして、マリネラのコンクールだけでなく様々なイベントが行なわれるお祭り期間だった事もあって、よりカハバンバという小さな街を楽しむ事ができました。
写真だけでなく、動画も沢山撮ったので、そのうちいい感じに動画を編集して私達が見た景色を紹介できたらなと思っています♪
モニカは高地を克服、なんなら2人でマリネラまで踊れてしまう程攻略できたので、これからどんどんアンデスの綺麗な景色を見に、そして高地で開催されるセレクティーボ(アレキパやカハマルカ等)にもチャレンジしていきたいです💪😆
以上、計5日間をかけたカハバンバの旅でした♪
来年も絶対チャレンジします!
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