ピスコ/PISCOって知ってる?

画像wikipediaより引用

皆さんはピスコ/PISCOというお酒をご存知ですか?

ピスコというのは ペルー南部のイカ州ピスコで主に生産されている、ぶどう果汁を原料としたペルー原産の蒸留酒です。(イカ州には地上絵で有名なナスカがあります)

このピスコは、ブランデーのように樽で熟成させたりしないため色は無色透明で、アルコール度数は約40度あります。
爽やかな風味と、芳醇な薫り雑味の無い口当たりが魅力です。雑味がないためカクテルにしても大変美味しい人気のお酒です。

ピスコは、ルコール度数40度前後あるんですが、口当たりがまろやかなため、とっても飲みやすいので注意が必要です!笑

ピスコ作りに使用されるブドウの品種は「torontel(トロンテル)」「italia(イタリア)」「quebranta(ケブランタ)」など8種類あります。これらのうち、単一品種のブドウから造られるのが「Puro(プロ)」、二品種以上をブレンドしたものは「Acholado(アチョラード)」、発酵途中で蒸留する「Mosto Verde(モスト・ベルデ)」と呼ばれ、ピスコはこれら3種類の製造法に分けられます。

ピスコの歴史

ピスコの歴史は、ペルーの首都リマから南へ約240km行ったところにあるイカ(ICA)州のピスコという港町から始まります。

「インカ帝国」を征服し、スペインの「副王領」として南米の植民地化を進めていたスペイン人たちは、16世紀半ばに現在のペルーにブドウを持ち込み、ワインの製造を始めました。カトリックのスペイン人にとっては宗教上「イエス・キリストの血」とされるワインが布教や儀式に必要だったんですね。

そのため持ってこられたブドウは、雨がほとんど降らない、太陽いっぱいのイカ/ICA」の大地でよく育ちました。ここのブドウは糖度がとても高く、ワイン作りには最適でした。

そもそも、ピスコという名前はこの地に鳥がたくさんいたことから、「インカ帝国」の言語であるケチュア語小鳥を意味する「pisqu/ピスク」に由来します。

そんなピスコに住む人々は陶製が得意だったようで、彼らがもともと作っていた陶器の甕(かめ)を、スペイン人たちはワインや、後に作られる蒸留酒の貯蔵に使用していました。そしていつしかその甕や、それを作る陶工職人たちのことも「ピスコ」と呼ばれるようになったそうです。

その後、この地域ではワイン作りが盛んになり、やがて地域一帯もピスコ地方と呼ばれるようになりました。こうしてペルーで作られた上質なワインは、次第にスペインにも輸出されるほど生産されるようになりました。

しかし、1776年にスペイン王室は国内の産業保護のため、ペルーワインの輸入を禁止しました。それが原因で、ペルーではワインだけでなく蒸留酒も作られるようになり、この蒸留酒がフルーティーで美味しいことから、近隣の諸国やスペインにも輸出されるようになったそうです。その際、この蒸留酒がピスコ地方の港から輸出されたため、いつしかこの蒸留酒そのものが「ピスコ」と呼ばれるようになりました。

こうしてペルーを代表する「国酒ピスコ」が誕生したのです。

ピスコ論争

このようにペルーを代表するお酒となったピスコですが、ピスコが作られるようになった当時、同じ「ペルー副王領」であった現在のチリでも、ピスコという同じ名前のお酒があります。

ペルーではブランド価値を守るため、ペルー国内の原産地呼称制度に登録されており、「ピスコ」と呼べるのは、「リマ州、アレキパ、イカ、タクナ、モケグアら5地域で生産されたもの」、と法律で決まっています。また、蒸留も一回だけに決められており、加水も禁止されています。また、ブドウの香りを残すため、ブランデーのように樽で熟成させないことも条件となっています。


一方チリでも、「ピスコ」と呼ばれるものは、北部のアタカマ地方とコキンボ地方で生産されたものに限られており、樽で熟成させたりしても良いとされています。また、チリではペルーと違って蒸留回数に制限が無いため、数回蒸留したアルコール度数の高いピスコに加水して作ることが多いそうです。


こんな感じで両国にそれぞれ定義の異なる「ピスコ」という名前のお酒があるのですが、ペルーを代表するピスコベースの国民的カクテル「ピスコサワー」を、困ったことにチリが「自分たちのものだ!」と主張しているんですねー。笑

実際私も日本のテレビ番組で「チリのカクテル”ピスコサワ―”」と言っているのを見たことがあります。その番組はチリのとある街でのロケだったので、現地の方がそう言うのは仕方ないとは思いますが、せめてペルーにもあるよってこともテレビ局は言及してほしかったですねー。

とまぁこのように、日本ではまだあまり知名度がないため、ペルーを代表する「ピスコ」が、チリ産のピスコと区別なく扱われるなど、かなり残念な状況にあるんですよね…。


まあ争ってもしょうがないのですが、同じ名前のお酒があるとどうにもややこしい。

しかし、ペルーがピスコの本家であるのは揺るがない事実ですので、ここは関西お好み焼き論争の「お好み焼き広島風お好み焼き」と呼び分け合っているように、(広島の方は認めないと思いますが笑)

ピスコとチリ風ピスコ

と呼び分けるのはいかがでしょうか。笑  というかそう呼び分けましょう!!笑



ピスコのカクテル

雑味が無くカクテルにしても美味しいピスコを使った代表的なカクテルを紹介します。

「ピスコサワー」

材料はピスコライム(キーライム)果汁砂糖(ガムシロップ)卵白

これらをミキサーで撹拌(シェイカーでシェイクも可)し、仕上げにシナモン粉を少し振りかけたら完成です!ペルーを代表するカクテルで、2月には「ピスコサワーの日」まであります。


「チルカーノ」

材料はピスコライム(キーライム)果汁ジンジャーエール

モスコミュールのウォッカをピスコに置き換えたものと言えばわかりやすいですかね。

さわやかな味で、作るのも簡単なのでおすすめです。夏にぴったりな味ですね!



ちなみに、最近日本では一般社団法人 日本ピスコ協会が発足して、その設立目的は

ペルーを代表する蒸留酒「ピスコ」の国内における周知、正しい知識の普及をはかり、酒文化の健全な発展とともに、ピスコを通じた日本とペルー間の文化交流、相互理解を深めることを目的とする。

とのことです。ぜひ頑張っていただきたい!!ペルーから応援しています!!笑


日本ではまだまだ知名度が低いですが、

美食の国ペルーが誇る美酒「ピスコ」

ぜひ機会があれば味わってみてくださいねー!!

ちなみに私たちのおすすめピスコはこちらです


「LA CARAVEDO」のTORONTEL PUROです!
リーズナブルな上、とても美味しいのでおすすめですよ!

まだ日本では売ってないかもしれないですが…。笑


日本でも購入できるピスコはこちら!
ペルー大使館御用達!現存している中では南米大陸最古のワイナリーTACAMAのピスコや、
ワインが有名なQUEIROLOのピスコが購入できます!

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