今月22日から29日にかけて、私たちが住むトルヒーヨ市で開催予定だったマリネラ世界大会ですが、なんと

トルヒーヨで開催できなくなってしまいました…。


なぜこんなことが起こったと言いますと、今年就任したトルヒーヨ新市長が世界大会の会場の使用を許可しなかったからです。

マリネラ世界大会は、トルヒーヨ中心部にあるGran Chimú(グラン・チムー)コロシアムで毎年1月末に開催されてきました。この場所は、言わばマリネラの聖地的な場所です。

そして、この会場は私たちが住む場所から車で5分というめっちゃ地元!!

Gran Chimú(グラン・チムー)の外観

屋内は半地下式の競技場で、収容人数は7000人です。


世界大会ではこの会場が満員になります。
ここで踊り、勝ち残ることが多くのマリネラ・ダンサー達の夢です。


歴史あるこの会場での世界大会を「安全上の理由」で市長が拒否し、開催予定の1週間前に世界大会を開催する場所が無くなる、という緊急事態が発生してしまいました…。


私たちも、あと1週間に迫った世界大会に向けて毎日練習に励んでいましたが、この事態に唖然…。

開いた口が塞がらないとはまさにこのことです。


そもそも世界大会はClub Libertad(クルブ・リベルタ)というトルヒーヨ中心部にある民間の団体が主催しています。この団体が1960年に開催したマリネラコンクールが現在の世界大会となっています。このコンクール化がきっかけで、今日のマリネラの発展があるんですね。

こうした功績から、1986年にペルー共和国議会は「トルヒーヨをマリネラの首都であると宣言する」ことや、「1月の最終日曜にクルブ・リベルタが主催するマリネラ全国大会を公式なものとする」という法律を可決しました。こうしたことから、クルブ・リベルタが開催するコンクールは、名実ともにマリネラにおける最高峰のコンクールの地位を確立しました。


しかし、クルブ・リベルタはあくまでも民間のクラブということもあり、「ペルーの文化遺産であるマリネラを民間のクラブが独占している」という批判が一部にあり、新市長はこうした声を政治的に利用しようとしているようです。


こうした市長のあまりにも理不尽な決定に対し、トルヒーヨのマリネラダンサー達やアカデミーが激怒し、市役所前でのデモの呼びかけがありました。

そして16日と17日には市役所の前で多くのマリネラダンサー達が市長に対して

「マリネラ世界大会をトルヒーヨで開催してくれ!!」と抗議の声を上げ、マリネラを踊りました。

私たちも声を届けようと17日にこのデモに参加しました。


トルヒーヨ市役所前には多くの人が集まっていました。

参加者たちはブラスバンドが演奏するマリネラに合わせて踊り、抗議の意思を示していました。

私たちはマリネラ世界大会を
トルヒーヨで開催することを望みます
私たちはクルブ・リベルタを支持します
トルヒーヨはマリネラだ!

という内容の横断幕


ただ、こうした抗議活動もむなしく市長の決定は覆りませんでした。


こうした事態を受けてクルブ・リベルタ側は

世界大会をリマ首都圏のカヤオ憲法市で

24日~29日にかけて開催することを発表しました


この怒涛の展開に私たちはパニック状態でした。笑

え!? どうする? というかもうコンクールまで1週間切ってるけど…

というか何でこんなことが起こるんだーーー!!!


…そうやって愚痴っていても仕方がないので、まずは慌ててリマへ行くための飛行機を探しました。笑

普段リマへは安い夜行バスで行くんですが、現在のペルーは非常事態宣言下。

元大統領支持派の方たちが各地でデモをしていて、そのうちの一部が断続的に各地の道路を封鎖したりしているので、陸路での移動はかなりリスキーなんです。

そのため飛行機じゃないとリマにたどり着けない可能性もあるため、慌てて飛行機のチケットを取りました。

飛行機のチケットが取れても、次は滞在先をどうにかしなければいけません。ずっとホテルで過ごすとなると金銭的にかなり厳しい…。

どうしよう…と夫婦で頭を抱えていたところ、この状況を知ったリマに住んでいる日本人のお友達が

「うちに泊まっていいよ!」

と言ってくれました😭😭😭😭!!

いやーもう本当に助かりました!!! 


こうして世界大会の直前にとんでもない大事件がありましたが、支えてくださる人たちのおかげで、なんとか私たちは世界大会に出場することができそうです。

しかしこの出来事が原因で、多くのマリネラ友達が世界大会への参加をあきらめざるを得なくなってしまいました。

参加をあきらめた友人たちが世界大会に向けていつも頑張っていた姿を近くで見ていたので、本人たちの気持ちを思うと本当に悲しいし悔しいです。

マリネラを政治の道具にされ、こんな事態を招いた市長のことは本当に許せません。

マリネラ世界大会は決してダンサーの為だけのものではなく、トルヒーヨにとっても重要なイベントなんです。

マリネラ世界大会は8日間にわたって開催され、コンクール以外にもマリネラダンサー達が街を練り歩くパレードといった様々なイベントが開催されるなど、トルヒーヨにとって重要な観光資源で、国内外から多くの観光客が訪れます。

報道では、マリネラ世界大会がトルヒーヨで開催されなくなると、1日当たり約8.5億円の損失になるとのこと…。

一方、偶然大きな経済効果を生むビッグイベントの招致に成功したカヤオの知事は、自身のSNSでマリネラ世界大会の開催地がカヤオとなったことを大喜びで告知していました。


トルヒーヨ市長、君は一体何がしたいんや…。



ちなみに来年もグラン・チムーでの開催はできないようですが、一応トルヒーヨ市内のVictor Larco区で開催することが決まったようです。ひとまず来年はマリネラ世界大会がトルヒーヨで開催されることが決まりホッとしました。ただ、今の市長がいる限りグラン・チムーでの世界大会はまだまだ先になりそうです…。


とにかく、切り替えて世界大会頑張ってきます!!

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