インカトレイル3日目

前日の2日目は一番の難所である4200mの峠を越えましたが、3日目は一番長距離のトレッキングです。

しかもこの日も4000mの峠越えがあります。

しかしこの3日目は遺跡がたくさんあり、一番見どころたくさんのルート!


朝6時過ぎにキャンプ地を出発!


朝日に照らされたススキ。綺麗でした。

30分程でRunkurakay(ルンクラカイ)遺跡に到着

直線と曲線で作られた不思議な形の遺跡




ガイドさんが、そこら辺に生えているイチュという植物について
解説してくれました。当時はこれで屋根を葺いていたそうです。ほかにもこれでロープを作り、橋を架けたりもしていたようで、現在でもイチュで作った橋が現役で使われている場所があるそうです。


ルンクラカイ遺跡を少し上から眺めると不思議な形をしていることがよく分かります。
アンデス文明で使われていた儀礼用のナイフTumi(トゥミ)の形
に似せて作られたのではないかと言われています。

アンデス文明での儀礼用ナイフ Tumi(トゥミ)


ルンクラカイ遺跡の上には池がありました。
乾季だったため、あまり水はありませんでしたが
雨季には豊富に水があり、野生のシカがここの水を求めてよく現れるそう。


さらに登るともう一つの池が。
これらの池の水を、遺跡まで水路を引いて利用していたそうです。

遺跡の上にこの日最も高いルンクラカイ峠(標高4000m)があります。
峠に向けてさらに登っていきます。

 
ルンクラカイ峠に到着!!絶景です♪

谷間に広がる雲と奥の氷河がとっても綺麗でした!

パノラマ写真も撮ってみました♪
美しい…

峠を越えて少し下った所にも池がありました。


ポーターさんは男性だけでなく女性もいます。
アンデスの女性は逞しい!!

さらに進むとSayacmarca(サヤクマルカ)という大きな遺跡が見えてきました。

急峻な崖の上にある遺跡で、入り口はこの急な階段だけです。

崖の上にあるということから軍事的な要塞としての機能があったと想像できます。

遺跡最上部にはたくさんの窓がある曲線の壁がありました。
ガイドさんによると天体観測のためらしい。

窓の一つから外をちらり。
どの位置から太陽が昇ったかで時期を確かめられただろうし
軍事的な見張りにも使えたでしょうね。
綺麗な景色でした。

遺跡内部は水路も整備されていました。
 

現在水は流れていませんが、インカの皇帝もマチュピチュへ向かう途中
立ち寄って体を洗ったり休んだりしたのでしょうか。

岩壁に何かがはめ込まれていたような跡が見られます。
実際のところは分からないだろうけど、ガイドさんによると
この地域の英雄か神の姿だったのではないかとのこと。
横の石に穴が開いていることから扉が着けられていたようですね。

下にも遺跡が


Sayacmarca遺跡を見た後は下にあった遺跡のほうへと下っていきます。

先ほど上から見えた遺跡Conchamarca(コンチャマルカ)遺跡
関所のような機能があったのではないかとのことですが
特に詳しい説明がないまま通り過ぎました。

遺跡を過ぎてすぐに岩をくりぬいて作ったトンネルがありました。

手作業で綺麗に彫られたインカのトンネル


さらに進むと見晴らしの良い場所に到着。
ここでインカトレイル最後の昼食を頂きます。

すぐ隣には遺跡があります。
遺跡の奥に見える山の裏側は、もう目的地のマチュピチュ遺跡です!

最後の昼食紹介♪
マッシュルームのセビーチェ(マリネ)

ワカモレ
リャマの形が可愛い!

野菜とお肉の串焼き
食事は毎日本当にどれも美味しかったです!
いつもお腹減ってる&スマホのバッテリーが心配だったので食事の写真を
取り損ねていました…。笑

参加者みんなでパシャリ♪

食後に「サプライズがあるから合図があるまでみんな目を閉じて!」
と言われ、目を開けたらなんとシェフがケーキを用意してくれていました。
こんな何もない場所で一からケーキを焼くなんて凄すぎる!!!
重い荷物を持って山道を歩くだけでも凄いのに、味だけでなく目にも楽しい料理を作るなんて、これぞプロフェッショナルです。本当に感動しました。


最後の昼食後、ポーター&シェフの皆さんと記念撮影
皆さんには本当にお世話になりました。

実は皆さんクスコ郊外の同じ村から来ていて、本業は農家だそうです。

皆さん副業としてこのインカトレイルのポーター・シェフをやっているそう。

同じ村の人同士なので、いつもみんなで冗談を言って笑いながら仕事をしていたのが印象的でした。同じコミュニティの仲間同士だとお互いコミュニケーションも取りやすいでしょうね。



昼食場所には可愛いリャマ達がいました。

この何とも言えない顔がたまらない。笑


昼食後に、ガイドさんから「シンジのマリネラの動画をポーターの皆に見せたら驚いていて、彼らも見たいらしくて…もう一度踊ってくれない?」と言われたので今度は皆さんの前で少しだけマリネラを踊りました。笑
ここも標高3680mだったので少し踊っただけで息が切れました…笑
スタッフの皆さんとても喜んでくれました。
さらに他のグループの人たちからも「もう一回踊ってよ!」と好評でした。


さて、昼食を済ませたら3日目もラストスパートです。

まずは昼食場所から見えていた遺跡Phuyupatamarka(プユパタマルカ)へ


こちらでは現在も水道システムが機能しているのが驚きでした!


沐浴する場所のような囲いが何か所か連なっています。
体を清める必要がある宗教的な施設だったのでしょうか。

急斜面に段々畑と建物が造られています。

こちらにも円形の壁に窓(ニッチ)

遺跡を後にすると岩を階段状に切り出した場所もありました。

またトンネルがありました


とても急な下り階段でした。
大きな岩を切り開いてトンネルを作る労力と技術に感動しました。

そろそろマチュピチュも近づいてきたので
谷の下にマチュピチュ村へ向かうための線路が見えます。

さらに進むと3日目最後の遺跡、「Intipata(インティパタ)」に到着!


とにかく大きな遺跡で、広い段々畑が
連なっているのが印象的な遺跡です。

開けた斜面にある遺跡で、遺跡の上部から谷を見下ろすと
とても開放的で気持ちよかったです。


段々畑の側面には石を埋め込んだ階段があります。


急峻な地形に造られています。


遺跡の上部と下部にはこのような住居(倉庫?)跡があります。


記念にパシャリ

インティパタ遺跡のすぐ下に最後のキャンプ地がありました。
ここで最後の晩御飯です。

さて、ここで最後の晩御飯を食べた後にポーター&シェフの皆さんへ皆からチップを渡します。
ガイドさんから「チップがあればテーブルに置いておいてくれればみんなで分け合うよ」とのことでした。そこで一緒に参加していたカナダ人家族と相談し、気持ちいい額のチップを渡すことにしました。
チップ文化に慣れていない日本人からしたら、どれくらい渡したらいいのか困るかもしれませんが、ガイドさんに相場を聞いたり、一緒に参加している人相談して決めればいいと思います。
インカトレイル中は現金を使うことはほとんどありませんが、チップやマチュピチュでの荷物預け、トイレといった場面で必要になるのである程度の現金は持っておきましょう。

さて、チップを渡し皆さんとのお別れと感謝の言葉を言ってこの日は終了。

 インカトレイル4日目

この日は3時半に起床し、起床後は素早く出発しました。

というのも、この日の早朝にはポーターやシェフといったスタッフの皆さんはキャンプ地の下にあるスタッフ専用の列車乗り場で帰らなければいけないので、その列車の時間に間に合うようにテントの片づけ等をしなければいけないのです。
また、マチュピチュへのゲートは5時半に開くのですが、先着順で入場のため、早く並ばないと混雑してしまうから、という理由もあります。
私たちがゲート前に到着した時にはすでに10人ほどが並んでいました。

ゲート前にはベンチがあるのですが、早く来た人はそこで座って待つことができますが、遅れてきた人たちはベンチに座れず、立つか地面に座って待ってました。
朝ご飯はゲート前のベンチで済ませ、ゲートが開くまでの1時間程を真っ暗な中じっと待っていました。

そして5時半ぴったりにゲートが開き、先着順でゲートを通過します。

ブレブレですがマチュピチュへのゲートの様子
まだ外は真っ暗です

1時間ほど進んだらマチュピチュを一望できる
Intipunku(インティプンク/太陽の門)に到着です。


ここまで歩いてやっとマチュピチュが見えるのは感激。
朝焼けに照らされるマチュピチュはとても美しかったです。

親子でパシャリ♪


グループの皆でも♪

マチュピチュに向かう途中にあった遺跡
岩の形がマチュピチュ遺跡の奥にある山(ワイナピチュ)のような形に見えます。
詳しい説明はありませんでしたがお墓だったそう。

だんだん近づいてきて、マチュピチュらしい角度に

マチュピチュと言えばこの角度ですよね!
朝いちばんに入場できたので人も少なく
朝焼けに照らされるマチュピチュは絶景です♪


自分は4回目のマチュピチュですが、父は初めてのマチュピチュ
長年の夢が叶って嬉しそうでした!

同じグループの皆でも記念に。
とっても素敵なグループでした。

ガイドのYiyo(ジジョ)ともパシャリ

とっても可愛い3兄弟とも記念に♪
好奇心旺盛で礼儀正しくて、将来が楽しみです。


後は思う存分マチュピチュ遺跡観光です。
遺跡内で放し飼いされているリャマも歓迎してくれています。笑


インカ道の道中で見たどの遺跡よりも大きなマチュピチュの規模の大きさに
ここが重要な場所だったんだなぁということを実感します。
段々畑も山肌全体に広がっています。


今でも水が流れている水路
素晴らしい技術です。

太陽神殿
他の場所より綺麗に石が組まれています。


どこを切り撮っても絵になります。


遺跡は崖下まで続いていますが、木々に覆われた下の方は
整備されずにそのままにしています。
マチュピチュ遺跡は地滑りの危険があり、下の木々を切ってしまうと
地滑りの危険性が高まるからとのこと。


当時はこのような屋根が葺かれていたそう。

私たちが参加した7月は乾季だったので、とても天気に恵まれました。

ほとんどシャワーも浴びれず、それなりにキツい道を歩く4日間ですが、インカの人々が実際に歩いた道を自分の足で歩く事で、インカの歴史について関心を持てますし、マチュピチュの見え方も全く違ったものになると思います。
実際4日目に、朝日に照らされたマチュピチュを見たときは本当に感動しました。
 
また、インカトレイルに参加しないと道中で訪れた遺跡は見ることができないので、これだけでも価値がありますし、何より素晴らしい景色の中を歩くだけでも「参加してよかった」と心から思いました。


インカトレイルでは、マチュピチュに着いた4日目に列車と車でクスコまで帰るのが一般的ですが、自分達はクスコまで戻らずにマチュピチュ村でモニカと母と合流して一泊
しました。
今までマチュピチュ村に泊まったことがなかったので泊まりたかったのと、父の体調面を考慮して一泊することを選択しました。


さて、このマチュピチュ村ですが以前は「Aguas calientes/アグアス・カリエンテス」という名前の村でした。
アグアス・カリエンテスとは「温泉」という意味で、その名の通りここには温泉があります。

どことなく日本の温泉街っぽい雰囲気を感じます。

ちなみにこのマチュピチュ村(旧アグアス・カリエンテス村)の初代村長は野内与吉さんという日本人だったことはご存じですか?
福島県大玉村出身の野内さんは、海外で成功したいという夢を持って1917年に契約移民としてペルーへ渡ったそうです。その縁は今も続いていて、福島県大玉村とマチュピチュ村は2015年10月に友好都市協定を締結したそうです。



さて、翌日の朝には列車に乗らなければいけないので、夕方に温泉まで行きましたが、観光客の凄まじい行列ができていて断念しました…。
ただ、現地の人に聞くと朝5時から開いているらしく、人も少ないらしいので翌日の朝に行くことに。
ということで夕方からマチュピチュ村を観光しました!
マチュピチュ村の中央広場モニュメントで記念に


4人でもパシャリ

晩御飯はクイという古代からアンデスで食べられている
モルモットを皆で食べました♪
日本人からしたら少し抵抗があるかもしれませんが、これがめっちゃ美味しいんです♪
ペルーに来たら絶対食べてみて欲しい!


翌日は早起きして楽しみだった温泉に♪
オープンすぐの朝5時過ぎにはほとんど誰もいないので
貸し切り状態です♪

入場料を払い、受付を済ませてから
このような更衣室で水着に着替えます。


お湯の温度は日本人からすると少しぬるいですが、貸し切り状態でとても満足できました。
トレイルで疲れた足を癒せました♪

温泉を堪能してたらすっかり明るくなりました。
朝のマチュピチュ温泉おすすめです♪


温泉後は朝ご飯を食べてから、まずは列車で
オジャンタイタンボという村まで帰ります。

4日間かけて歩いた距離を約1時間半で戻ります。



列車はクスコまでは行けず、オジャンタイタンボという村までです。
ここからは車を探してクスコまで乗り合いタクシーで戻りました。

その後は数日間4人でクスコ観光を楽しみました。
その内容はまた後日記事にしようと思います!


インカトレイルに参加して思ったこと

・夜間は真っ暗なので、トイレへ行く時にはヘッドライトがあると便利です。そして、テントの中を照らせるように小さなランタンがあると便利だと思います。

・インカトレイル2-3日目は標高が高いので、夜は結構冷えます。私たちが参加した7月だと寝袋は夏用だと寒いと思います。

・4日間充電が出来ないので、モバイルバッテリー必須。綺麗な景色をたくさん見れるので、動画や写真撮影に困らないよう、余裕があるといいです。

・虫よけは必須。標高の高い場所以外は虫が多いです。トレッキングを終えて、足をリラックスさせようと登山靴を脱いでサンダルに履き替えると、あまり見かけない虫がたくさん寄ってきました・・・。しかも刺されてとても痒かったです。

・水筒を持参し、水は初日分だけ持っていきましょう。以降はポーターさんが煮沸した水を用意してくれました。

・頭痛薬や鎮痛剤など、常備薬を必ず持っていきましょう。インカトレイルの道は国立公園なので、もし体調が悪くなっても自分の足で下山する以外方法はありません。ヘリコプターも飛ばせないそうです。なのでいざという時、なるべく自分で応急処置できるようにしておきましょう。体調も万全に。

・一番の敵は「高山病」なので、時間に余裕があればインカトレイル前の数日間クスコに滞在し、体を順応させることをお勧めします。高山病対策の薬もペルーで販売されているので、購入しておくのもいいでしょう。

・日焼け止め、保湿クリーム、リップクリーム必須!特に標高の高い場所は乾燥しますし、日差しも強いのでカラッカラになります(笑)

・糖分補給ができるようなおやつを持っていく事をお勧めします。トレッキングの進み具合などによってご飯の時間が変動するので、小腹を満たせるお菓子などを持参しておくといいと思います。

・2日目にはシャワーがありましたが、真冬の滝行ってこれくらい冷たいのかな?って思うくらい冷たかったです。笑 なので体を拭けるようなものを持っていくといいと思います。
皆さんもぜひインカトレイルに参加してみてください!

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