6日の午後7時に締め切られた決選投票は、2日たった現在も開票が進んでおります。
前回の記事でもご紹介したように、投票締め切り時点で発表された全国出口調査ではケイコ氏の優勢が伝えられていましたが、その3時間後に発表されたIPSOS社の集計速報では、
と、0.4%差でカスティーヨ氏の勝利の予想が発表されるなど、かなり接戦の選挙戦となっています。現在の開票状況は、ペルー時間6月8日23時時点で
開票率99.141%
カスティーヨ氏:50.266%
ケイコ氏:49.734%
と、現在カスティーヨ氏がリードしているという結果となっています。
最初の選挙管理員会(ONPE)による公式発表時点では、リマを中心に支持を集めていたケイコ氏が約5%リードしていましたが、地方の開票が進むにつれてカスティーヨ氏が差を縮め、現在ケイコ氏を追い越しています。残っている票はカスティーヨ氏の支持が強い地方票なので、今後の開票が進むにつれてペルー国内ではカスティーヨ氏がケイコ氏をさらに引き離す情勢です。
ケイコ氏にとっては勝利が絶望的な状況となっています。
市場への積極的な介入を公約に掲げるカスティーヨ氏勝利の可能性が高いという状況を受け、市場には動揺が広がっており、ドル価格の上昇や株価の下落がみられます。
ただ、ペルー国内ではケイコ氏の勝利はほぼ不可能という状況ですが、まだ国外票が残っているため、一応まだ確定という訳ではありません。
海外票は現在、開票率84.07%で、ケイコ氏が得票率66%と優勢なため、国内で離されている差を国外票で巻き返すことができるかが勝負の分かれ目となっています。
IPSOS社の集計速報によると、国外ではケイコ氏が68%の得票率と予想されていました。 |
しかし、個人的に色々と計算してみましたが、ここからケイコ氏が逆転する可能性は現実的に見て無いでしょう。
という訳で、
ペルーの次期大統領は急進左派で小学校教師のペドロ・カスティーヨ氏でほぼ間違いありません。
ただ、現在ケイコ氏陣営は選挙の不正を主張しております。たしかに投票日当日、カスティーヨ氏陣営の不正が疑われる事件が何件かはありましたが、結果を覆すほどの大規模な不正は現段階では確認されておらず、結果が覆ることは今のところ現実的ではないでしょう。
もちろん結果が僅差となるのは現時点で間違いないので、不正の有無といった確認・発表はただでさえ安定が見えない今後のペルー社会に変なしこりを残さないためにもするべきだとは思いますが…。
それにしても、ケイコ氏は三度決選投票まで進みながらも「3度目の正直」とはならないとは…。汚職容疑で起訴されている状況ですが、4度目の出馬は果たしてあるのか…。笑
さて、ペルー次期大統領の可能性が濃厚なカスティーヨ氏ですが、半々に分断されたペルー社会で難しい政権運営となりそうです。ペルーが今後、政治・経済的にどうなってしまうのか、個人的にかなり不安ですが、ペルー国民の判断は尊重されなければばりませんね。
赤がカスティーヨ氏支持が多い州、黄色がケイコ氏支持が多い州で、黒はほぼ同数の州です(IPSOS社の集計速報) |
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ケイコ氏の汚職容疑が確定して禁固30年となれば政治生命を失う訳ですが、仮に4回目の大統領選に出馬するなら南部に例え1ヶ所でも自派が有利な拠点を作らないと難しいでしょうね。南部のプーノ県は実に90%位がカスティーヨ支持だそうで驚きです。アンデス地方の人々にとっては社会主義であろうが資本主義であろうが関係ないのでしょう。元々アンチフジモリが強い土地柄の上、今回汚職容疑があるケイコ氏を嫌って目下の処クリーンそうなカスティーヨ氏の方を選んだ人も多いのでは。それとチチカカ湖を含むアンデス地方に属するプーノ県は社会主義国ボリビアと地続きで民族構成もほぼ同じ。似たような雰囲気を感じますね。農業層、労働者層、観光業従事者にとって資本主義の必要性も特に感じていないのでしょうね。
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