大変ご無沙汰しております💧


ブログ?やってたっけ?

ってぐらい、長らく放置してしまっていました…😭

ありがたいことなのですが、今年に入ってからは夫婦ともども非常に忙しい日々を送っており、ブログに構っている暇がなくなってしまい、すっかり放置していました…。


もともとコロナ禍によるロックダウン中に「ほかにやることが無くて」始めたこのブログ。

ブログができないほど忙しくなったのはありがたいことなのですが

ただでさえ少ないマリネラやペルーの情報を日本語で提供するという目的をもって始めたこのブログを廃墟にするのは忍びないので、これからも時間があるときに少しずつ書きたいことを自分たちのペースで書いていこうと思います!


ということで今回は、今一番ペルーでホットな話題

今後のペルーを占うペルー大統領選挙について書いてみようと思います!




ペルーの大統領選は、1回目の投票で過半数を獲得した候補者がいない場合に、改めて上位2名による決選投票が実施されます。

1回目の投票は、過去最多35名もの立候補者が乱立するなか、4月12日に実施され


  • 1位:ケイコ・フジモリ氏…17.192%
  • 2位:ロベルト・サンチェス氏…12.039%
  • 3位:ラファエル・ロペス氏…11.912%
  • 4位:ホルヘ・ニエト氏…10.978%
  • 5位:リカルド・ベルモント氏…10.15%
以下得票数10%以下が続く

という結果となりました。

1回目の投票結果
微妙な得票率がずらーと並びます。
さすがに候補者多すぎまっせ


そして、今週日曜日の6月7日に行われる決選投票では

ケイコ・フジモリ氏とロベルト・サンチェス氏の2名が決選投票に進むこととなりました。


ペルーの選挙制度

まずは、日本とはいろいろな面で仕組みが異なるペルーの選挙制度について簡単にご紹介します。

投票が義務
→投票が有権者の権利かつ義務であり、投票に行かなかったら罰金を払わないといけません。(70歳以上は任意)

投票所は学校の各教室
→日本だと体育館のような広い空間で行われますが、ペルーは投票場所に指定された学校や教育機関の「各教室」が投票場所となります。
各有権者は「〇〇学校〇階の〇号教室」とピンポイントで指定されます。教室の入り口に受付があり、奥の段ボールの仕切りで一票を投じます。1教室に1つの投票箱があり、その部屋だけで完結する仕組みです。

一般市民がランダムに招集される「miembro de mesa」
→ランダムで選ばれる一般市民の選挙管理官(ミエンブロ・デ・メサ)という制度があり、これに選ばれた市民は参加が義務で、サボると高額な罰金を払わなければいけません。
仕事内容は、受付、本人確認、そして夜の手作業での開票まで全てやらなければいけません。(補償金はもらえます)
このような制度は、 政府などによる不正や改ざんを防ぎ、民主主義の透明性を守るために実施されています。ですが、選ばれたくはないですね…。笑

投票日前日の「禁酒法(レイ・セカ)」
→投票前日の午前8時から、投票翌日の午前8時までの48時間、全国で酒類の販売が一切禁止されます。
スーパー、コンビニ、バー、レストランなど全ての場所が対象で、棚のお酒コーナーにはカバーがかけられてロックされます。
違反して酒類を販売した店には、高額な罰金だけでなく最大6ヶ月の禁錮刑(逮捕)が科されます。

他にも、投票ブースでのカメラ・スマホの使用禁止や、投票所から半径100メートル以内での集会の禁止、といったルールもあります。

※ペルー国民は、日本でいうところの「マイナンバー」が記載された身分証(DNI)を持っており、この「マイナンバー」で投票場所や選挙管理官(ミエンブロ・デ・メサ)が割り当てられます。


1回目の投票での混乱

さて、4月12日に実施された1回目の投票では、前代未聞とも言える運営上の失敗により大きな混乱が発生しました。

本来であれば投票前日までに設置されるべき投票資材が、配送会社の不手際などにより各地へ届かず、首都リマを中心に13カ所の大規模投票センターで深刻な混乱が発生しました…。

多くの有権者が朝から投票所に集まっていたにもかかわらず、投票所の開設が大幅に遅れるケースが相次ぎ、スタンフォード大学の分析では約80万人の有権者が開設遅延の影響を受けたと推定されています。

こうした事態を受けて、国家選挙審査院(JNE)は、ペルーの選挙史上でも極めて異例の措置として、一部の投票所について翌日も投票を継続することを決定しました。

ただ、大きな問題となったのは、この決定が本来の投票時間終了後、大手メディアが出口調査の結果を公表した後に発表されたことです。そのため、有権者が出口調査や速報値に接した状態で投票することになり、選挙の公平性に疑問を呈する声が上がりました。

また、この混乱に伴う投票行動の変化や投票率の低下によって、本来とは異なる結果になった可能性を指摘する声もありました。

実際、2位のサンチェス氏と3位のロペス氏の票差は約2万票、得票率差はわずか0.127ポイントという極めて僅差でした。

このため、ロペス氏陣営や支持者の一部からは、「選挙運営の失敗によって本来の民意が反映されなかった」とする抗議の声が上がり、再選挙や結果の再検証を求める動きも見られました。

一方で、スタンフォード大学の分析では、投票所の遅延によって失われた票は約27,000票と推定されるものの、その影響だけで決選投票進出者が入れ替わる可能性は低いと結論づけています。

また、今回の問題は重大な「選挙運営の失敗」ではあったものの、「組織的な選挙不正」を裏付ける証拠は確認されなかったことから、最終的にケイコ・フジモリ氏とロベルト・サンチェス氏による決選投票進出が確定される、という結果となったわけです。



決選投票の行方


決選投票はケイコ・フジモリ氏とロベルト・サンチェス氏の一騎打ちとなりましたが、両者の得票率はそれぞれ17.2%と12.0%程度に過ぎず、有権者の7割以上は別の候補に投票していました。

つまり、決選投票で勝利するためには、自分に投票しなかった有権者をどれだけ取り込めるかが最大の課題となります。 


ケイコ・フジモリとはどういう人物か


ケイコ・フジモリ氏はペルーの首都リマの出身で、1975年生まれの51歳。

アメリカの大学に進学し、経営学を専攻しました。

政治スタンスは、保守派(右派)として分類され、治安強化・経済自由化・親企業政策を重視する立場です。

支持基盤は都市部中間層や保守層が中心となっています。


彼女の父は、ペルー第54代大統領を務めたアルベルト・フジモリ氏です。父のアルベルト氏が大統領在任中に離婚したことを受け、ケイコ氏は19歳でファーストレディに任命され、2000年にフジモリ政権が終焉を迎えるまでその役割を務めました。

フジモリ」という名字からも分かるとおり、彼女は日系ペルー人の3世です。父のアルベルト・フジモリ氏の両親は熊本県出身で、1934年にペルーへ移住した日本人移民でした。

父であるアルベルト・フジモリ氏は、前政権の経済政策によって深刻なハイパーインフレに陥っていたペルー経済を立て直し、また「センデロ・ルミノソ」をはじめとする極左武装組織によるテロを封じ込めたことなどで高く評価されています。

その一方で、汚職の蔓延や、1992年に議会を解散して憲法秩序を停止した「自己クーデター(アウトゴルペ)」を断行したことに加え、対テロ作戦の過程で発生した民間人虐殺などの深刻な人権侵害についても批判されています。こうした強権的・権威主義的な政治手法から独裁者とみなす声もあり、その評価は現在でも大きく分かれています。

※センデロ・ルミノソ(「輝く道」の意)…毛沢東主義を掲げる極左武装組織。1980年代から1990年代にかけてペルー各地でテロ活動を展開し、その残虐性から「南米のクメール・ルージュ」とも呼ばれました。1991年には、JICAから派遣されていた日本人農業専門家3名が同組織によって殺害されています。

その後アルベルト氏は2000年の政治危機の中で大統領職を失い、その後、権力乱用などの罪で有罪判決を受け、2009年には人権侵害の罪で禁錮25年の判決が確定しました。その後は恩赦と収監をめぐる法廷闘争が続きましたが、2023年に釈放され、2024年に86歳で死去しました。

ケイコ氏はこのアルベルト・フジモリ元大統領の支持者を地盤に、国政政党の党首としてペルー政界に大きな影響を与えてきました。

ただ、このアルベルト・フジモリ元大統領の評価はペルー国内で真っ二つに分かれており
治安と経済の回復を成し遂げた英雄」と評価する人もいれば
汚職と人権侵害にまみれた権威主義的な独裁者」と評価する人がいます。


そのため、フジモリ元大統領への評価は、その政治的地盤を受け継いだ2世政治家であるケイコ氏にも向けられることになりました。
ケイコ氏には常に一定の強固な支持が集まる一方で、「反フジモリ」感情を持つ人たちからは徹底的に拒否されるのです。

実際、ケイコ氏はこれまで3度の大統領選で決選投票に進出しながらも、いずれも「反フジモリ票」の結集によって敗れてきました。そのため、一定の強固な支持基盤を持ちながらも、その支持の広がりに限界があることが最大の弱点とされています。

今回は4度目の決選投票への挑戦となりますが、長年立ちはだかってきた「反フジモリ」の厚い壁を、今回こそ打ち破ることができるのか、国内外から注目が集まっています。


ロベルト・サンチェス氏とはどういう人物か

ロベルト・サンチェス氏はリマ州ワラル出身で、1969年生まれの57歳です。

政治的スタンスは、左派〜中道左派(社会民主主義・進歩主義系)と分類されます。

また、憲法改革(新憲法制定)を支持する立場で、反フジモリ派の流れに位置づけられることが多いです。


国立サンマルコス大学で心理学を学び、後にカトリカ大学で社会政策を専攻しました。自身を「公教育で育った人間」と語っており、労働者家庭の出身であることを強調しています。

政治家になる前は地方自治体で人材管理や社会開発分野の業務に携わりました。その後、2021年から国会議員を務め、ペドロ・カスティージョ政権では商工観光大臣(Ministerio de Comercio Exterior y Turismo)を務めていました。

現在は左派政党「Juntos por el Perú」の党首として大統領選に出馬しています。

サンチェス氏は、地方や労働者層、貧困層の生活改善を重視する左派政治家として知られています。

主な政策としては、

・教育と医療への公的投資拡大

・最低賃金の引き上げ

・福祉、年金制度の拡充

・汚職対策の強化

・国家介入型経済モデル(資源・戦略産業への関与)

などを主張しています。

また、新たな社会契約や憲法改革の必要性についても主張しており、既存政治への不満を持つ有権者から支持を集めています。

一方で、元大統領ペドロ・カスティージョ政権で閣僚を務めた経歴から、「カスティージョ路線を継承する候補」と見られることもあります。本人は民主主義や中央銀行の独立を尊重すると説明していますが、その政治思想から保守派や経済界の一部からは経済政策や政権運営能力に対する懸念も示されています。

支持者からは「地方や庶民の声を代弁する改革派」と評価される一方、批判的な立場からは「カスティージョ政権の延長線上にある候補」「経済を破壊しかねない候補」とも見られており、その評価は大きく分かれています。


決選投票に向けての情勢

第1回投票後、各候補は自らに投票しなかった有権者の取り込みに全力を注いでいます。

右派であるケイコ氏は、右派・中道右派勢力からの支持の獲得を目指しました。特に、近年悪化している治安への対策や経済成長を前面に打ち出し、「安定」を訴える選挙戦を展開しました。

一方、左派のサンチェス氏は、第1回投票で敗れた中道・左派系候補から支持を取り付ける戦略をとりました。また、ペルーで根強く存在する「反フジモリ」層からも支持を集め、支持率を伸ばしていきました。

当初は世論調査でケイコ氏がやや優勢とみられていましたが、選挙戦が進むにつれて両者の差は縮まり、投票直前の主要世論調査ではほぼ横一線の接戦となっています。


なぜここまで接戦になったのか

ケイコ氏には、父アルベルト・フジモリ元大統領の支持層という強固な基盤があります。一方で、ペルー社会には長年にわたり根強い「反フジモリ」感情も存在しています。

過去の大統領選でも、ケイコ氏は毎回決選投票に進出するほどの支持を集めながら、そのたびに反対勢力が結集して敗れてきました。

一方のサンチェス氏は、第1回投票では12%しか得票していません。しかし決選投票では、自身の政策への支持に加え、「反フジモリ」層からも支持を集め、支持を拡大してきました。

そのため今回も、候補者個人への支持だけでなく、「フジモリと左派のどちらがより拒否感が強いか」という構図が選挙結果を大きく左右すると見られています。

どちらが勝ってもおかしくない選挙

現在の世論調査では、両候補の支持率差は誤差の範囲内に収まっており、どちらにも十分勝利の可能性があります。

ケイコ氏は第1回投票で首位となり、右派票を比較的まとめることに成功しています。

一方のサンチェス氏は、反フジモリ票や中道・左派票の結集によって追い上げを見せています。

また、ペルーでは世論調査と実際の結果が大きく異なることも珍しくなく、地方票や無党派層の動向次第で結果が変わるため、最後まで結果を予測することは困難です。

両候補に対する懸念

ケイコ氏に対する最大の懸念は、フジモリ政権時代を想起させる権威主義への警戒感です。父アルベルト・フジモリ元大統領は経済再建やテロ対策で高く評価される一方、人権侵害や汚職問題でも強く批判されてきました。そのため、一部には「権威主義的なフジモリ派の政権復活」を警戒する声があります。

一方のサンチェス氏に対する最大の懸念は、ペドロ・カスティージョ政権との近さや、左派的な経済政策によるペルー経済への影響です。

支持者からは改革派として期待される一方で、反対派からは「第二のカスティージョ政権になるのではないか」「投資環境が悪化するのではないか」といった不安の声や、議席数が少ないことで安定した政権運営ができないのでは。という懸念の声もあります。

次期政権の見通し

どちらが勝利したとしても、その政権運営は決して容易ではありません。

ケイコ氏が勝利した場合は、依然として根強い反フジモリ勢力との対立が続くでしょう。

一方、サンチェス氏が勝利した場合は、議会内で安定した多数派を形成できるかが課題となります。また、対立する経済界や保守勢力との関係構築も重要になるでしょう。

近年のペルーでは、大統領と議会の対立によって政権が短命に終わるケースが繰り返されてきました。

果たしてペルー国民は誰をこの国のリーダーに選ぶのでしょうか。

そして選ばれたリーダーは不安定が続くペルー政治を安定させられるのか。


移住して2回目の大統領選挙。前回の大統領選と同様にペルー大統領選は、最後まで結果が読めません。

ちなみに前回の決選投票では、サンチェス氏よりもかなり急進的な左派のカスティージョ氏が僅差でケイコ氏を破りましたが、案の定政権は安定せず、最終的にはフジモリ元大統領のように「自己クーデター」未遂を起こした結果罷免され、現在は刑務所に拘束されています…。


どちらが勝利したとしても、治安悪化や経済成長、政治不信といった課題への対応が求められることに変わりはありませんし、安定して政権を運営するのは簡単ではありません。

ペルー国民がどのような選択をするのか。日本時間では6月8日朝から開票が始まる予定です。

果たして次の大統領は誰になるのか。

当日は1回目の投票のような混乱がなく、無事に投票が実施されることを願いながら、静かに結果を見守りたいと思います。


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1 件のコメント:

  1. ペルー大統領選挙に関する唯一無二の貴重な情報ありがとうございます。

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